2015-11-23

アパートの鍵貸します

■著名なコメディ映画だけど、恥ずかしながらこの歳で初見


もの悲しさが少し混ざっているところが好きだ。
その描き方も上品で、嫌味がない。
立川談志が憧憬するビリー・ワイルダーの凄さ。

保険会社の仕事の無機質さ。

男どもにとって、女性がどう見えているか。

主人公のバクスターがいかにつまらない男か。

バーでバクスターに近づくオバサンのうっとうしさ。

フランの、あてのない生き方と身勝手さ。


■少し甘ったるい


物語は、すごく優しい筆致だ。
それが、ところどころ甘ったるく感じる箇所がある。

ラストは、フランが何処へ行ったのか、わからないほうが好きだ。
バクスターの部屋の物音は、種明しがあって嬉しかったけれど。
物音の後、ブザーが鳴って、バクスターの顔が見えて おしまい、くらいの意地悪さがおれは好みだ。

こういう、「もし・・・」を語れる映画って、素晴らしい。
要するに、物語の語り口と、シャーリー・マクレーンのしたたかさにウットリしてしまい、夢中で過ごした2時間だった。


■恋愛映画は、もう女子中学生のものか?


おれは、ほとんど映画館に新作邦画を観に行っていないのだけれど、
仕事場がシネコンの近くなので、最近かかっている映画のタイトルくらいは見聞きしている。

恋愛ものが、ことごとく女子中学生向きではないですか?


もう、オジサンは映画会社のターゲットから外れているのかもしれない。
「オジサンは映画館に通わない」と思われているのかもしれない。

うん、そうだ。
だって散々「オジサン向け」の皮をかぶったメジャー映画に騙されたんだもの。
そりゃ映画館から足も遠のくよ。

たまには、オスに向けた恋愛映画も観てみたい。
数少ない経験から言えば、大根仁さんの「恋の渦」は素晴らしかった。

ヒットしたオス向けの恋愛映画といったら、同じく大根仁さんの「モテキ」かな。
あれは、中学生の観るAVだったけれど、オジサンがうっとりする恋愛もの、また観たいな。