2015-12-31

2015年のふりかえり(映画編)

 今年は、比較的多くの映画を観た。新作、旧作、スクリーン、DVD問わずに、印象深かった作品を挙げる。

  • 仁義なき戦い 1~4作
  • 男はつらいよ あじさいの恋
  • 椿三十郎(再び、新文芸坐のスクリーンで観た)
  • 野火
  • 浮草
  • ニンフォマニアック vol.1
  • ドラマ版FARGO
  • MAD MEN season 6, 7
  • ぼくの叔父さんの休暇

 2015年は「仁義なき戦い」シリーズにずっぽりハマった。2作目は笑えないが、このシリーズ全般は哀しいコメディとして大好き。緊張と緩和のコントラストが最高だ。

やくざの会話が、素朴な日常の言葉で交わされる。当然のことだが、それだけでも可笑しい。松方弘樹さん演じる坂井が、山守にむかって「そりゃ屁理屈です!」と怒鳴るシーン。言い方はなんとなく可愛らしいのだけれど、話題は覚醒剤。

不条理なやくざ社会のなかで、ありもしない仁義や理屈を通そうともがく姿が哀しいし、可笑しい。

 「男はつらいよ」の絶望回も衝撃的だった。
このブログにも、興奮気味に感想を書いた。書いた後に、書籍「観ずに死ねるか!絶望シネマ88」で取り上げられたのを知ったが、おれが感じたのとは別の意味での「絶望」らしい。いろんな絶望をはらんだ、名画なんだね。

 映像として印象に残っているのは、何と言っても「野火」。二度と観たくない名画だ。逆に「浮草」はあらゆるカットが美しい。男が少し、身勝手すぎるけれど。

 ドラマ版「FARGO」「MAD MEN」もクスクス笑えた。ニヤニヤ笑ったのは、「ニンフォマニアック vol.1」のユマ・サーマン。全編、ブラック・コメディとして大好きだがvol.2は少々、痛すぎて笑えない。

 どうやら、トボけたブラックなユーモアが、2015年おれのツボだったらしい。