2014-06-21

私小説の読み方、そしてamazonでのkindle本無料配布が開始

■芥川賞作家の西村賢太さんの随筆集「一日」を手に取った。

恥ずかしながら、きちんと作品を読むのは初めて。

おれの大好きなブコウスキーに通じる、話題が何であろうと、何故か感じてしまう品の良さ、気の弱さ。語り口に憑依したかのように楽しんでいるのだが、私小説の、一番楽しい読み方ができているか?と疑問。

■私小説に限らず文学は、文字で読者の体験を構成するもの。

けれど、私が西村賢太さんの本を読む時は、テレビ等で、具体的な先入観が出来上がっている。特に、映像は余計なことも雄弁に語る。

おれの場合、先入観が好意だったから作品を手に取ったのは言うまでもない。(抜粋引用されていた一文にヤラれて買いました)

けれども、何も知らない状態で読んでいたら異なる印象が楽しめたのか、と思うと勿体ない気分。

■もったいなさと同時に感じるのは、自意識(私小説、随筆)と他者視点(映像)が並列されて違和感がない凄さ。

日常には、このふたつのズレによる「こいつ、イタイな」が山積。このズレがない。自意識が異常に冷めていて文章表現が映像と同じくらい雄弁なのでしょう。(またはそう錯覚させる)


■元SONY社長 出井伸之さんが「イノベーションの鳥瞰図」について語る講演を聞く機会があった。

内容が10年くらい古くて辟易した。たぶん、主催者が漠然とリクエストしか伝えなかったから出井さんが恐竜時代のネタを引っ張り出してきたんだろう。いちおうは拍手で終わってはいたけど、数百人も集めて恥をかく、講演の怖さを知った。最近注目している、某研究科の主催だったので辟易を通り越して落ち込んだ。ラーメン食ってジムに行ってようやく持ち直した。ま、あたりはずれもあるでしょう。

■amazonから出した電子書籍の無料キャンペーンが始まりました。

徐々に部数が上がってきました。06/22(日)までの無料配布なので、kindleをお持ちの方は、ぜひご覧になってください。