仲代達矢さんの映画を、次々と観ている。ほんとうに素晴らしい作品にたくさん出ていらっしゃる。おれは、仲代さんが「そこにいてそこにいない」というような役をやられているのが特に好きだ。
時代を経て、おれにはわからない作品も正直、たまにある。そういう作品は、仲代さんが出てくるのをじっと待つ。アイドルのファンみたいだ。作品自体には、いまいち乗れないけれど、「あの人」を観たくて一生懸命、観る。
こどもの頃、「ジミー・ペイジがスタジオ・ミュージシャンとして演奏しているらしい」という一点にしがみついて聴いたCDを思い出す。でも、そうやって新しい嗜好がひらかれる、ということはあるもので。