おれはクラシック音楽の知識や理解力が全然ないのだが、時々ジャケ買いをしてしまう。ほとんどベートーベンさんです。まず、聴いてみてハズレがない。それに、レコードをそろえればそろえるほど、ジャケットデザインが面白くなってくる。だから、またジャケ買いでベートーベンさんを買ってしまう。
ベートーベンさんと言えば、眉間にしわを寄せた、気難しそうな顔が浮かぶ。実際にお会いしたら、怖い印象だ。レコードのジャケットに描かれるのも、やはり、しかめっ面ということになる。
ベートーベンさんのレコードはたくさん出ているが、ジャケットに写る時、ベートーベンさんは必ずしかめっ面なのだ。それが反復されると、少しオモシロイ。
こんなこと、他の作曲家やアーティストであります?せっかくレコードを出すのに、毎回必ず、しかめっ面で写るなんて。モーツァルトを初めクラシックの作曲家は微笑の肖像画ばかりだし、バンドだったら、ここぞ!とかっこつけた表情で写る。アイドルのCDで、その子が不細工な顔して写ってることなんて、ないでしょ。
ベートーベンさんの、ふてくされた表情が写ったレコードを並べると、オモシロイ。たとえば1シリーズ物で並べると、こんな感じ。
ベートーベンさんは、もう、ずーっとふてくされた表情。デザイナーが使う色調も、自然とくすんだ色ばかり。レコードを買い揃えるたび、壮大な小ボケなんじゃないか、と思えてくる。
死後二百年ちかく経って作品を愛されているベートーベンさん。同時に、レコードを出す度に仏頂面をいじられるベートーベンさん。大好きです。