ラモーンズの1stの40周年記念盤を聴いてる。邦題は「ラモーンズの激情」だけど、録音はシットリ丁寧に重ねられてる。それがキラキラ輝いて、聴いていてワクワクする。
今回、初めて歌詞を読みながら聴いた。(特に初期の曲は)意味がわからずに聴いていたから、歌詞にユーモアだけでなく知性があふれていると気づいて、バンドの印象が変わっちゃった。コンセプト・アート活動だったんだね。「激情の表出」に見えていたものは、計算づくの表現だったと納得した。
この素晴らしいアルバムの中でも「53rd & 3rd」という曲は、特に耳に残る。歌詞カードだけでは意味がわからなくて、いろいろ調べた。ネットに日本語訳詞もなさそうなので、メモしておく。
やれるもんなら やってみな
おれはベトナム帰りのグリーンベレー
おまえの作り話にはうんざり
おれはやることがあるんだ
53丁目と3番街の間 立ちんぼして
53丁目と3番街の間 客をとる
53丁目と3番街の間 客がつかなくて
53丁目と3番街の間 みじめだろ
ようやくついた客に、おれはカミソリを向けて
とんでもないことをしでかして
警察に捕まったけど、ホモの疑いは解けた
この曲と詞を書いたのは、ベースのDee Dee。「53丁目と3番街の間」ってのは、男娼が立つ実在のスポットで、Dee Deeもヘロインを買う金欲しさに、歌詞の通り客をとったことがある、なんて噂まである。 いやはや、こんなストーリーを簡潔に、たった2分半にパッケージするパンクってすごいな。アナログも買おうかな。