2017-01-15

ポンコツ新聞の新しいの

 予定より少し遅れたけれど、フリーペーパー「ポンコツ新聞」の郵送準備中。

今回は、制作方法を変えてみた。まず、2号同時に制作して、印刷や郵送の手間を省いてみた。これは、効率がよかった。印刷して、描き直して、の繰り返しが楽になった。もうひとつは、印刷する手段を変えて、用紙も変えてみた。これは、好き嫌いある。おれ個人も「変えてよかった」と思ったり「前の方がよかった」と思ったり、交互だ。

書店や雑貨屋さんで見かけた方は、ぜひ手に取ってみてください。



2017-01-07

かわいい、蓮の花畑



 これは、とある「女性ファッション雑誌の写真」を撮った写真だ。人気モデルがスタイリングやメイクについて語るイベントに集まった女の子たち。

この写真から匂いたつ気迫に、おれは圧倒されてしまった。彼女たちがそれぞれ「かわいくなりたい」と願う気持ち。そう願うこと自体がかわいいし、それぞれの笑顔は瑞々しい。だが、それが密集すると蓮の実のような凄味がある。

 だいいち、女性にとって「かわいい」ことはしんどい。かわいいだけでは飯は食えない。かわいくない人や男と同じくらい努力をしないと生きていけない。かわいくいるためには、それに加えてメイクをしたり、ネイルをしたりしなくちゃいけない。

興味のない男どもから口説かれるのは我慢できるとしても、きっと性的な視線を感じる場面は男より多いんだろうな。月に一度は必ず体調を崩すのも面倒だ。男のおれからしたら信じられないのが、トイレに行った時に流水音ボタンを押して排泄の気配を消すエチケットだ。ああ、もう大変だ。「男はつらいよ」だけど、女がかわいくいようと思ったら、もっとつらいよ。

それなのに、どうして「かわいくなりたい」と願う?なんて、彼女たち自身も答えは持っていない。花は勝手に咲くのだ。

2016-12-27

「弓と禅」と、「失敗の本質」と「空気の研究」

 オイゲン・ヘリゲル「弓と禅」を読んだ。

日本に数年間滞在し、弓道に打ち込んだドイツ人の筆者が、武道の根底にある禅の思想を見い出し、とまどいながら理解を深めていく体験を書いた本だ。

語り手が、弓道の達人、禅宗の僧でないところが本書の特徴だ。シャーロック・ホームズではなく、ワトソンの視点から描かれるのに似ている。そこが、初学者にとってはわかりやすい。また、外国人が日本文化に高い精神性を見い出し、それを理解するプロセスは、日本人のおれにとって体験のできないことなので新鮮に感じた。

筆者が弓道を体得するうえでの悩みも真摯に書かれている。

筆者が一時期、弓道に悩む。その頃、師匠は「弟子にとってわかりやすい説明は何か」と、筆者の専門の哲学書を開く。結果「こんな小難しい本を読む奴には、弓道は身につかん」と放り投げた。このことを、筆者は後から聞いたらしい。これには笑ってしまった。

ただし、この本では憧憬されている「日本文化の高い精神性」の嫌な面、弊害を、日本人のおれは知っている。すぐに不要なところでも精神論を持ち出すのだ。
  • 時給で雇ったアルバイトに「真心をこめたサービス」を求める経営者
  • 数百円しか支払わない店で、サービスに文句をつける「お客様」
  • 職人技至上主義
  • やたら「生き様」を演出して切り売りするJ-POP
  • 味は大したことないのに、「こだわり」の主張がうるさいラーメン屋
戦時中の「日本軍は神風のおかげで勝つ」という得体の知れない自信も挙げられるだろう。「失敗の本質」「空気の研究」を再読したくなった。



邦訳は何種類かあるが、福村出版のが、おれには読みやすかった。



オイゲン・ヘリゲル 著
稲富 栄次郎、上田 武 訳
「弓と禅」
福村出版

2016-12-26

新宿の、夜の演説

 夜、新宿駅を歩いていると、街頭演説が聞こえてきた。ふだんなら聞き流すのだが、少しだけ気になった。

ちょうど、その日に新しく刷ったフリーペーパー「ポンコツ新聞」を、配布してくれる店に郵送したのだ。手に取ってくれるであろう、顔の見えない相手にむけてフリーペーパーを作っている自分。目の前を通り過ぎる人の流れにむけて演説する人。共通点を感じたのだ。

 街頭演説は曰く「職場で残業を強いられ、つらい思いをしていませんか。毎日、遅くまで仕事をさせられていませんか。一緒に労働環境を変えていきましょう!」そうですか。確かに、問題のある労働環境は改善が必要だ。働き方や、仕事について考えさせられるニュースが、今年もいくつもありましたね。

 でもね、その演説をやっているのが、平日の18時なんだ。演説のターゲットは、絶対にそこにいないんだ。

苦笑いをするとともに、自分のフリーペーパーもちゃんとターゲットのいる場所で配ろうと思った。



2016-12-18

琴調六夜


 来週から、鈴本の琴調六夜が始まる。楽しみにしてきた、宝井琴調さんをたっぷり聴く機会がやってきた。何回行けるかな。最近、生業が忙しいが、どうしても行きたい。

12月のおくりもの

 そのひとは、12月におくりものをするのが好きだ。

親戚や知人、友人にたくさん、おくりものを手配する。

相手の喜ぶ顔を思い浮かべ、「そろそろ封を開けた頃かしら」と心待ちにしている。

今年もたくさんのおくりものを手配した。


そのひとの元には、おくりものは届かない。ただのひとつつも。

そして、本人はそのことには気づいていない。

自分のことを不幸だと思ったことはないのだ。