お気に入りのシャツを着て、お気に入りのジャケットを着て、お気に入りの帽子をかぶって、お気に入りのDJのクラブイベントに行く。お気に入りの、ジャック・ダニエルを呑んで。
ポケットにお気に入りの文庫を入れたいのだが、ブコウスキの詩が日本で文庫になってないと気づく。
— 黒石 三太 (@5antaClau5) 2016, 1月 2
渋谷に着きクラブに行く途中、昼から何も食っていないと気づき、ラーメン屋に入る。
ラジオで、桑田佳祐が"Happy Together"を弾き語りで歌うのが聞こえた。
うれしかった。
クラブは狭かった。
目当てのDJが出てくる頃には、ずいぶん賑わっていたが、踊れないほどではない。
1時間ほど踊っていると、さらに混んできた。
DJが交代して、フロアの雰囲気も入れ替わった。
目当てのDJのプレイがこんなに短いとは思わなかった。
踊っているのは白人ばかりで、日本人は騒いだり口説いたりしている。
踊っていない群れの中にいるのは、満員電車に乗っているようで楽しくない。
おれは独りでクラブの外に出た。
ふと、渋谷から荻窪まで歩いてみよう、と思いついた。
目当てのDJがもう一度プレイするまで3時間ある。
同じくらいの時間で、行けそうだ。
北西に歩き出す。
クラブやバー、ミニシアターの近くを通り過ぎる。
代々木八幡、幡ヶ谷、環七通り。
渋谷から離れて住宅街に入る。ほんとうに人がいない。
ドン・キホーテが歩くのも、こんな気分だろうと思う。
青梅街道まで出たところで、くたびれたのでタクシーを拾う。
ジーンズとシャツだけ脱いでベッドに入る。
翌日、ともだちからの電話で起こされる。