2017-05-13

立入禁止の看板が錆びている。



 立入禁止の看板が錆びている。ずいぶんと長い間、人が立ち入っていない、ということだ。ゼロではないんだろう。管理人はいるのだろうから。でも、看板を隔ててコチラ側は人通りは多いのに、アチラ側には人がいない時間が随分とある。

人間が誰もいない空間。ある意味、無人島だ。もし、おれが人間以外の動物なら、そこに逃げこむだろう。いや、動物には限らない。人間以外の何者かにとっては、絶好の住処だ。理屈とルールにうるさい人間から離れて暮らすには、人間が理屈とルールで区切った立入禁止区間が楽園なのだ。