■立川談志「居残り佐平次」の映像/音源のなかでも、これは特別
テンションの上がり下がりが凄くて、
生々しくて非現実的、という不思議な感覚。
バカを演じる利口
狂ったふりをした冷静
夢想家を模した諦念
陽気を装った希死念慮
どっちが本性なのか、わからなくなる。
立川談志の躁鬱イメージとも重なる。
■迫力があって怖いが、共感もできる不思議
自分が、とても気持ちよく遊んでいる時の極致が佐平次だ。
ウソとホントが混ざる。
そこにないものが見える。
ふだんの佐平次と、設定や演出が違う。
失念をごまかしたり、あえて遊んでいたり、ジャズのように演じている。
細かいところのツジツマはたぶん合っていないけど、ナマナマしく「伝わってしまう」。
ええもんを観た。