■ヒル・カントリー・ブルーズにうっとり
体調が悪くて寝込んだ。
日中、ウィスキーで喉をうるおしながらDVD「You See Me Laughin' : Last of Hill Country Bluesmen」を観た。
90年代、00年代に、突然、若い世代の一部を熱狂させたブルーズの1ジャンルについての映画。
演歌の「ブルース」と混同されて「古い懐メロ」というイメージがあるかもしれないブルーズの、猥雑で荒削りな魅力が満載。
ブルーズのジャンルとしては、ブロークン・ブルーズと呼ばれるジャンルじゃないかな。
正直、英語は半分以上聞き取れなかったのだが、うっとりするほど素敵だった。
■伝説を伝承するスター、伝説そのものが登場
おれも00年代に少し遅れてブルーズにうなされた一人だ。
多くのブルーズ好きがそうであるように、入口はロック、ポップスのミュージシャンからの参照だ。
おれの場合は、ストーンズに始まりジョン・スペンサー・ブルーズ・エクスプロージョン、ブラック・キーズだ。
おれにとってのスターが、さらに上空で輝く、マディ・ウォーターズ、R.L.バーンサイド、ジュニア・キンブロアを教えてくれた。
この映画は、その熱狂を作った人たちがたくさん出てくる。
おれの世代にとっては、音楽の先生だ。
前述のジョン・スペンサー・ブルーズ・エクスプロージョン、イギー・ポップ、U2のボノ、ファット・ポッサムの関係者。
(ボノは、本人の歌は大仰で好きではないけど、好きなものは共感するのが不思議。
ジュニア・キンブロア、チャールズ・ブコウスキー、エッジのギター。。。)
それだけでなく、R.L.バーンサイド、ジュニア・キンブロア本人も登場する。
T-モデル・フォードもかっこいい。
要するに、贅沢な映画なのだ。
クラシック音楽に喩えると、一流の音楽の先生が魅力を語るだけでなく、ベートーベン本人も登場する。しかも演奏シーン盛りだくさん、という感じだ。
■陶酔という愉しみかた
ジュニア・キンブロアがやっていたジューク・ジョイントで、愉しんでいる観客も素敵だ。
お洒落や洗練とはほど遠いが、うっとりするような自由と猥雑さと熱がある。
こんなクラブがあったらなあ、と思う。
お洒落で陶酔からは遠いクラブやライブスポットが多い。
■歯のない男が、なぜカッコいい
伝説的なミュージシャンの2000年頃の演奏、インタビューがたっぷり収録されているが、みんな、ことごとく歯がない。
服装もいなたい。
初めて入った居酒屋の隅っこに、こういうおじさんいるなあ。
それが、なぜ、こんなにカッコいいんだ!
イケメンじゃないカッコよさ。憧れる。
DVD " You See Me Laughin' "
Fat Possum Record
R.L. Burnside, Cedell Davis, T-Model Ford, Junior Kimbrough
Bono, Iggy Pop and The Jon Spencer Blues Explosion